論理的思考も独創的アイデアも名文に触れることから

 

 とにかくロジカルで

音韻の美しい日本語の名文を

繰り返し音読し、暗誦し、

筆写するという訓練を

幼児期から行うことが大切です。


 はじめから文章の意味を

考えさせる必要はありません。

名文には名文にしかない

パワーがあります。

それに直接触れるだけで

読み手の中の言語的な

深層構造が揺り動かされ、

震え、熱してくるのです。

 

論理的思考も、美的感動も、

対話も、独創的なアイディアも、

この震えるような

言語感覚ぬきには

存立しえないのです。    
(神戸女学院大名誉教授 内田樹)